をかしや夏レポート 自然体験&ガイド養成研修
残暑お見舞い申し上げます。 菊間たまです。
みなさまお元気でお過ごしですか。
昨日から二十四節気の 「処暑」
毎年感じますが、
お盆過ぎたら暑さがやわらぎ、秋の気配がぐっと増してきますね。
夜には秋の虫たちがコーラスを始め、
緑の“いが栗”がころころ落ちてるのを見つける。
団体で渡りの準備しているようなツバメたち。
秋の風の匂いが待ち遠しくなる。
みなさんはどんな秋の気配を感じますか^^?
といっても、日中はまだまだ陽射しが強いですね。
熱中症にもまだまだ気をつけてくださいね。
さて、本年の夏のプログラム、終了いたしました。
ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
今年は、主催事業は、
「鈍川渓谷シャワートレッキング」
「夜の海の宝探し いのちの輝き ウミホタル」を実施しました。
川も海も、やっぱり自然は奥深く美しい。
その中で、新たな世界を見つけたみなさん。
何度やってても、こちらも新鮮な発見に満ちた日々でした^^。
「シャワトレをきっかけに、愛媛の自然を満喫しています」
と、いただいたうれしいメッセージ。
自然の懐で、家族と過ごす喜びを見つけていただけました^^。
「夜の海の宝探し」では、次々出会ういろんなカニや生き物に驚き^^。
小さな虫も苦手だった子が、カニを自分でつかめるようになりました。
親御さんもびっくり。
“自然と友だちになれる”ドラマの2時間でした。
また、海では、7月の豪雨のため、
ウミホタルが激減するという事態が発生していました。
わずかに数匹のウミホタルに会うことができましたが、
彼らの青い光は、本当に懸命に生きる大切な「いのちの輝き」
命を繋ぎ、また戻ってきてくれることを願いました。
また、今年は夏休み前半、環境マイスターとして、
さまざまな団体さんの自然体験プログラムをオーダーいただきました。
今治市内、新居浜市内の愛護班さんの活動。
今治市たんぽぽ幼稚園さんのお泊り保育の中での活動。
東温市上林小学校さんの夏のキャンプでの活動。
鈍川渓谷や、竜岡・蒼社川上流の森のともだち農園さんのフィールド、
皿が嶺の上林森林公園 と、いろんな場所で、
自然を感じ関心を高められるよう、プログラムを実施させていただきました。
お泊り保育の翌日、園児さんが書いた絵日記には、
川へ入ったり、つるブランコで遊んだり、
プログラムで遊んだ自然との思い出がいーっぱいあふれ出てきたそうです。
先生方がビックリして喜んでおられたそうです^^。
リアルな自然との体験、心と体でめいっぱい感じられたからだと思います。
子どもたちと自然は、きっかけを通して磁石みたいにビビッと結びつくのです^^。
そして、電気のように、自然からのエネルギーが心と体に、ぎゅーん!と通るのですね。もちろん大人もですけどね。
素直でかわいい子どもたちと出会えて、私にとってもうれしいお仕事がいっぱいでした。
毎年お声掛けいただいている、
今治じばさんセンターさんの「バリバリものづくりおもしろフェスタ」にて
「水軍のびゅんびゅん弓矢づくり」も実施させていただきました。
毎年人気をいただきありがたいことです^^。
参加してくださったみなさん、朝早くから並んでいただきありがとうございました。
竹の弓矢と、弓矢筒(檀紙で作る袋)をじっくり作製しました。
みなさんのオリジナリティに感動しました!
貸切釣りプログラム。代表理事マロの愛する領域です^^。
こちらはすでに熱いレポートが上がっております。
また、代表理事マロ、ガイド養成等のお仕事も多数いただいていました。
河原学園さん 「観光系専門学校生のためのガイド&企画研修」
東温市にてガイドと企画の研修。古民家と地域をフィールドにした3日間の実践研修でした。
山口県萩市「萩ジオガイド養成講座」
~「知識を伝える」から「感動が伝わる」へ~ 8月と10月の3日間で講座を実施しています。
これまでもいろんな県でガイド養成講座に携わらせていただいてますが、
参加したガイドさんたち、目から鱗が落ちて「しゃべるだけではダメだ!」と、
講座をきっかけにガイド法の改善に意欲的に変わっていかれるそうです。
愛媛県東予地方局「TOYO歴史文化資源ガイド」養成講座
東予地域の産業遺産、歴史文化及び伝統産業等の地域資源を学び、
情報発信や観光ガイドなどを担う若い人材を育成するための講座。高校生たちが集い、学び合います。
今治城にて、若い豊かな感性で感じたことを、体験を通じて伝えるガイド法(インタープリテーション)を実践練習しました。
6月には、吉備中央町「日本版DMOスタッフのためのガイド&企画研修」にも行かせていただきました。
佐賀県伊万里市、広島県三原市など、これまでいろんな県で、みんながハッピーになるための、ガイド養成研修に携わらせていただいています。
すでに過去ブログにもありますが、
「観光Re:デザイン」という観光系のWEBサイトにて、ガイド技術、インタープリテーションに関する記事を6月より連載させていただいています。
タイトルは、「小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ」
読みやすいと思いますのでよかったら覗いてみてください^^。
そしてそして、
「愛媛県中小企業家同友会 リーダーシップ研修」
7月から4回シリーズの研修講師をさせていただいておりました。
研修目的は、「ファシリテーションを学び、主体性と個性を引き出せるリーダーになる」
ファシリテーション初めて体験のみなさん、
とても生き生きとされていたそうです^^。
あんなことやったな~こんなことやったな~ と思い出しながら書いていたら、
長い長いレポートになってしまいました。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました^^!
夏ももう少し。
どうぞお元気で楽しく過ごしてくださいね。
佐世保での研修二日目「インタープリテーション」の巻
こんばんは。
一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。
研修の二日目のテーマは「インタープリテーション」。
体験を通じて分かりやすく「伝わる」ための技術です。
自然や歴史や文化を伝えるガイドの世界で、とても重要になってくる技術です。
一般的な言葉としては「伝える」とよく言います。
しかしこの言い方だと「伝える側」が主になります。
伝えよう、伝えよう、と思うあまりに、相手のことをあまり考えず、ひたすら喋りまくってしまう、というのはよくあることです。
しかし私たちインタープリターはそうではなく、参加者やお客さんに体験してもらうことで自ら気づいたり、発見したりしてもらうことを目指します。
「参加者ファースト」のこの姿勢を私たちは「伝わる」という言葉で表現しています。
さて、それでは一体、どんな体験をするのでしょうか?
早速レポートしていきます。
今回は佐世保にも寒波が訪れ、本来会場となる場所が使えない状態でした。
山の上にある施設のため、雪で登れない恐れがあるためです。
そのため、研修前日になって会場が変更となりました。
その会場はこんな感じ。
・・・町の中の公民館です。
自然なんてこれっぽっちもありゃしません。
なので、自然遊びをするために近くの公園に移動します。
車道の脇を歩いて。
公園に到着です。
公園といっても、ご覧の通りの児童公園。
ほとんど自然なんかありゃしません。
野良猫たちのパラダイスになっており、猫フン地雷がいたるところにありましたが、、、。
そして隣にはグランドがあります。
草すら生えてません、、、。
常識的に考えたらこんな場所で自然を感じる体験をするのは不可能でしょう。
しかし、プロのインタープリターの手にかかれば、一見すると何もない、こんな身近な場所がめくるめく自然体験や歴史体験の場に変貌します。
今日の遊び(アクティビティ)は二つ。
ひとつ目。
「そっくりさんを探せ!」
このはてなボックスに入った4種類の自然物を見て、色も形も大きさもそっくりの物を探してくる、という遊び。チーム対抗戦のため、一番そっくりな物を拾ってきたチームの勝ち!となります。
ただし!
箱をオープンする時間はたったの3秒です。
3秒間のおぼろげな記憶を頼りに、チームで相談しながらそっくりな物を探します。
自然物を拾って元の場所にもどったら、そっくりコンテストのはじまり。
黒布の上にひとつづ広げて、答え合わせをしていきます。
けっこう記憶が曖昧だったり、意外としっかり覚えていたり、チームによってさまざまです。
みんなで集まってわいわいがやがやと、賑やかに進んでいきます。
どんな年配の人も、そしてそこにカップルと幼稚園児が混ざっていようと、一緒に楽しむことができます。今までの経験上、いつ、どこで実施しても、みなさん子どもにもどってものすごく楽しんでくださいます。
そして二つ目の遊びは「春さがし」。
折からの寒波の襲来で、前日まで雪のちらつく非常に寒い陽気でした。
でもそんな中でも自然はしっかりと春の準備をしています。普通だったらみすごしてしまう、そんな「春」をさがす遊びです。
これもチームごとに分かれて、ぐるぐると歩き回って「春」を探します。
みつけたら分かりやすいように、用意しておいた輪っかでくくり、タイトルを考えて短冊に書きます。
そうして参加者のみなさんがみつけた「春」がこちら。
このチームは、ふわふわの冬芽に着目していました。
触るととても気持ち良いのです。
このチームは桜の新芽にフォーカス!
タイトルがかわいい。
木の根元にある、ちいさな花を「春の妖精」に見立てました。
と、こんな感じの作品が完成したのでした。
作品自体も素晴らしいですが、やってるみなさんが、ものすごく楽しそうでした。
そしてなにより作品を作る過程で、普段全く見ないところに目が行き、参加者自身がいろんな自然を「発見」できるのです。
一通り遊び終わったら、部屋に戻って感想と気づきの共有です。
どんな感想を抱いたのか、そして、それを「起こす」ためにインタープリターは何をしていたのか?
みなさんが楽しむために、インタープリターは事前に下見や調査をし、会場を選び、必要な資材や道具を揃え、様々な演出をし、参加者をハッピーにする「言葉がけ」をしていたことに気づきました。
このようにまずは体験してもらい、それを振り返って参加者自身の「気づき」を共有するという手法が、私たちの研修の基本的なスタイルです。
教えるのは私たちではなく、参加者自身の「体験」であり、私たちインタープリターがすることはふさわしい「体験」をデザインすることです。
ひととおり意見が出たので、ランチタイム。
この日の昼食は「佐世保バーガー」でした。
めちゃボリュームがあり、おいしかったです。
やっぱり、その土地の美味しいものを食べることは、その土地の魅力が「伝わる」上でとても大事だとおもうのです。
遅めの昼食だったので、14時から後半開始。
16時終了までのに時間、どのようにこの研修をクロージングするかを参加者自身に考えてもらい、実践してもらいました。
この辺も私たちの実施する「超実践型研修」の特徴です。
どんなに知識を増やしても「実践」が伴わなければ身につきませんから。
このようにして、佐世保研修の二日間が無事に終了したのでした。
今回ファシリテーターとインタープリターがそれぞれの手法で進め、参加者がそれを体験し、学ぶという初めてのスタイルでした。結果として、非常に学びの多い、濃密な研修になったと思います。
最後にメンバーと写真をとりました。
彼女たちは私たちをかしやの主催事業「しまなみインタープリター講座」の修了生。
かれこれもう5年くらいの付き合いです。
講座が終わっても「ご縁」が続いていくのは、私にとってなにより嬉しいことです。
以上佐世保研修のレポートでした。
今週末も佐世保で研修です。
内容は「インタープリテーション」と「企画」。
レポートをどうぞお楽しみに!