オンラインでファシリテーション研修をしました。
こんにちは。一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。
珍しく連投してみます。そして、本記事でちょうど200記事目となりました!これからもたまーに更新していきますので、末長くおつきあいくださいませ。
さて、本日のお題は「オンラインファシリテーション研修」です。
前回の記事でも書きましたが、私たちは自然体験やインタープリテーション、ファシリテーションなど主に「直接体験」を生業にしているため、コロナで大きな影響を受けました。が、そのまま手をこまねいていたわけではなく、新しいことにチャレンジしています。
先週と先々週は、経営者の勉強会である「愛媛県中小企業家同友会」のリーダーシップ研修の仕事でした。主に中堅社員さんやこれからリーダーを目指す人たちを対象に、毎年さまざまなテーマを設定して実施する研修です。今年のテーマは「ファシリテーション」。
中小企業家同友会では毎月例会(勉強会)があり、いろんな人の報告を聞いた後にグループディスカションを行います。しかし、そのディスカッションの進行がむずかしいという意見がたくさんありました。意見を引き出しつつ、うまーく場をファシリテートできる人の育成が急務!となっていたのです。
そこで4回連続で、ファシリテーター養成研修をすることとなりました。・・・これが今年1〜2月時点でのお話。
しかし、その後世界的なコロナショックがあり、集まって実施する研修ができなくなってしまいました。うーん。
そんなわけで急遽Zoomをつかった「オンラインファシリテーション研修」となったのでした。
Zoomを使ったコミュニケーションがあたりまえになって久しいですが、実はオンラインにはオンラインの「お作法」が必要です。そしてまだまだそれは一般的ではなく、結果として「1人だけ長々としゃべる、ほとんどの人はただ聞いているだけ」というミーティングになりがちです。
こうなるとつまらないので、飽きちゃうし、他のことをしたくなります。そして余計につまらなくなります。
これを私は「オンライン負のスパイラル」と呼んでいます。
この状況ではオンラインコミュニケーション自体が嫌いになってしまいます。だからこそ、オンラインファシリテーターが必要なのです。
さて、研修の最初はオリエンテーションからはじめます。私はリアル研修では、「KP法」という、A4の紙にキーワードを書いてホワイトボードに貼り出す形で説明することが多いです。今回はオンライン研修ですが、ホワイトボードと、パソコン据え付けではない専用のカメラを使って、KP法で実施してみました。意外とリアル研修同様に伝わるものです。
ちなみにこの会場には事務局スタッフしかおらず、参加者はカメラの向こうにいるため、実際にはこんな状況で話しています。
・・・なかなかシュールな絵柄ですね。
そして、参加者がみている画面ではこのようになっています。
オンラインでは、KP法だけではなくクリップボードと紙で解説することも多いもの。こういう場合はあえて手書きの方が伝わる気がしますね。バリバリのデジタルな世界だからこそ、アナログの良さが生きてきます。そしてクリップボードも大事。オンラインの場合、紙だけだと照明や光の状態によっては透けて文字が見えにくくなってしまうことがあります。
またオンライン研修では、一番はじめにグランドルールを設定するようにしています。私が設定する「お約束」は次の三つです。
・基本的に「ミュート」で。
・いつでも発言OK!
・リアクションは大げさに
こんなシンプルなグランドルールがあるだけで、場の雰囲気は全く違ったものになります。みんなが安心できるのです。
この研修は今のところ第二回まで実施したのですが、第一回目ではまず「オンラインコミュニケーションを楽しむ」ことをゴールとしました。
オンラインで使えるアイスブレイク(打ちとけ合いのゲーム)を全員でいくつか体験し、「ブレイクアウトルーム」という小部屋機能を使って少人数で「デートゲーム」をしました。お題はこんな感じ。これをあらかじめ考えてもらい、何人かで話し合うのです。
リアル研修でよくつかう定番のアイスブレイクなのですが、オンラインでも全くリアル同様に実施できました。
そのあとは「オンラインのお作法」を確認したのち、再びブレイクアウトルームに分かれて少人数での話し合い。そうして2時間の研修はあっという間に終了したのでした。
第二回の研修のテーマは「やってみよう!オンラインファシリテーション」。
第一回の内容をさらに深め、全員が15分のオンラインファシリテーションに挑みました。
まずは最初に、前回のおさらいも兼ねてオンラインの「お作法」を確認!これ、大事です。
そしてすぐに4人組のブレイクアウトルームに分かれ、1人15分のファシリテーションにチャレンジ。お題は参加者が自由に設定し、15分の場の進行をしたあと、5分間で振り返り。途中一度休憩を入れて、4人それぞれが、それぞれのやり方でファシリテーター役を勤めました。
4人の進行を体験することで、自然と「ファシリテーターの存在、やりかたにより、場が全く違ったものになる。」ということを体験することができました。
そしてここでとても大切なのが「休憩」。リアル研修とは異なり、オンラインでは1時間に一回、10分程度の休憩は必ず入れた方がいいようです。ブレイクアウト機能を使うことでまた違っては来るのですが、基本的にオンラインでのコミュニケーションはものすごく疲れます。おそらく、情報がほとんど視覚からしか入ってこないために、他の情報を得るために脳が全力で回転しているのだと思います。
なので、1時間に一回程度は休憩を入れた方が良いみたい。ちょっと休憩してお茶飲んだり、甘いもの食べたり、体を動かしたりしてリラックスする。こう言った「スキマ時間」の設計がオンラインではものすごく重要だと感じています。
全員がオンラインファシリテーションを体験し、ふりかえりも終えたら再び全員が集まり、感想の共有。みなさん「オンラインでもここまでできるのか!」と新鮮なオドロキがあった様子。楽しい時間を過ごし、たくさんの気づきがあった、あっという間の2時間20分でした。
当初予定では、オンラインだと長丁場はきついので2時間の予定でいました。しかし思いのほか話がはずみ、みなさん良い顔をされているので全員に了解を取った上で延長させてもらいました。しっかりと研修するなら、オンラインでも2時間半くらいは欲しいですねえ。
このようにして、二回のオンラインファシリテーション研修が無事終了。私としても大きなチャレンジで、十分な準備をして臨みました。そして終わってみれば、新しい発見と学びがたくさんあった研修でした。私もめちゃ疲れたけど楽しかった!!
前回投稿した「そのへんにある野草を採って食べてみようの会 in Zoom」に続き、オンラインの大きな可能性を感じた二日間でした。
オンラインでの研修に興味がある方は、ぜひご連絡くださいませ。
以上オンラインファシリテーション研修のレポートでした。
【募集】ファシリテーショングラフィックを学ぼう!
お久しぶりです。理事 菊間たまです。
みなさまお元気でお過ごしでしょうか。
冬・大寒なのに、もう春のような陽気。
をかしや自宅兼事務所では、
暖冬のおかげで不足気味の薪が足りるのはありがたいですが、
毎年温暖化を心配せずにはいられません。
雪が見たい…。
さて、Facebookイベントページのほうで先行ご案内しています、
「ファシリテーショングラフィックを学ぼう!」
ファシグラ風チラシを作ってみました。こんなふうに「一目でわかるように」まとめる技術がファシリテーショングラフィックです。
講師は福岡在住の志賀 壮史(しが そうし)さん。
をかしやと志賀さんのご縁は、2005年の愛知万博まで遡ります。
数年前に佐世保でも一緒に仕事しましたが、本当にすごいグラフィッカーです。
その場で話された内容が、まるで生き物のようにホワイトボードや
黒板に吸い込まれていくのです。
柔和な笑顔とお髭も、たいへん魅力的な志賀さんです^^。
現在お申込み受付中です。すでに続々とお申込みをいただいております。
三連休ということもあり、大阪、兵庫、徳島、広島等、遠方からの参加が多いのも特徴。
いろ〜んな人と「ファシリテーション」や「グラフィック」という分野で繋がれる場になりそうです。
気になる方は、どうぞお早めにお申し込みください^^。
【平野薬局かんきょう広場】
「ファシリテーショングラフィック(ファシグラ)を学ぼう!」
ファシリテーショングラフィックは会議やワークショップなどで、
対話の内容やプロセスなどを「見える化」する優れた技法です。
◆「ファシリテーショングラフィック」◆
きちんとした記録を残すというよりは、その時、その場の出席者の役に立ち、
話し合いをより良くすることが目的です。
実践を通じてファシリテーショングラフィックのコツや引き出しを身に付けていきます。

1996年よりまちづくりや森林ボランティア活動の中でファシリテーショングラフィックを実践。
環境教育などの業務に携わる。
ファシリテーター(会議やワークショップの進行役)の育成に取組んでいる。