新年度事業「やまプリ!」
こんばんは。
一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。
さて、お待たせしました。
新年度事業のご案内です。
以前にも本ブログで予告しましたが、今年はいくつか新規事業を始めます。
その第一弾!がこれです。
「やまなみインタープリター講座」
略して「やまプリ!」
今まで をかしやの看板事業といえば「しまプリ」でした。

しまなみインタープリター講座は、瀬戸内の美しい島々と、そこにかかる橋が見事に調和した「しまなみ地域」を舞台に、「コミュニケーション力」「企画力」「伝える力」を持ったインタープリター=伝える人を育成する講座です。
しまプリ講座は昨年までに8期を数え、OBOGの数は150名を超えます。
そして東京、新潟、沖縄など参加メンバーのエリアは全国規模。
しかも職業は自然系に限らず、職業も年齢も極めて多様なメンバーが集う、異色の講座です。
この講座はをかしやの看板事業であり、そしてメンバーとのつながりは私にとってかけがえのない財産です。
そしてそしてこのたび。
新規事業です。
やまなみインタープリター講座。
略して「やまプリ」。

この「やまプリ講座」は、4月〜7月にかけ、月一回×2回、プラス最終回のみ一泊二日で実施する、森林や林業について学ぶ講座です。
ただ、本講座の目的は林業技術者を育成することではありません。
この講座の目的は、日本と世界の森林を知り、森林にまつわるさまざまな問題を世のひとびとに「伝える」ことのできる人を育てることです。
森林環境問題においてよく語られることは、木材供給地である「川上」、つまり山と、消費地である「川下」つまり都市部のつながりの欠如です。
なのでそのつながりが見えるような講座の展開にしたいと思っています。
な〜んていうとちょっと難しい感じがしますが、そんなことはありません。
要は、「まち」に住んでる人は、材木がどこからきてるか、「山」どんな風にそだってるか知る機会がないってことです。これって、とてももったいないこと。
だったら、体験してみよう!
という講座です。
山は楽しいです。
山仕事をしていると、何気ない日常の中にある、一瞬のヨロコビに触れることがあります。
それは神々しい朝日だったり、朝の空気の冷ややかさだったり、あるいは普通のおにぎりが格別に美味しかったり。
多分普段の暮らしの中にもそんなヨロコビはたくさんあると思うのですが、忙しい日常では感じにくい。
自然の中にいるからこそ、感覚が鋭敏になり、素直に喜ぶことができるんだと思います

そんな、山や森林のことを知る「やまプリ講座」。
具体的な講座の内容は、以下の通りです。
第一回:4月29日(土・祝)
「きこり入門!」
〜お互いを知り合うワークと森林の基礎講座、間伐体験〜
第二回:6月4日(日)
「チェンソーワーク」
〜思いっきりチェンソーぶん回して、とことんチェンソーを使い倒してみよう!〜
第三回:7月8日(土)〜9日(日) 一泊二日
「森を伝える人になる」
〜初日:お楽しみの1日と納涼会!〜
〜二日め:全体のふりかえりと森と人との関係を考えるワークショップ〜
ちなみに第三回の初日の内容は、全く決まっていません。
すべては参加者しだい。
皆さんと一緒に創り上げていきたいと思っています。
詳細は下記の通り。4月29日、開講。
興味のある方はぜひどうぞ!
初心者でも、山のプロでも経験は問いません。
中学生以上ならOK!です。
山の仕事は楽しいですよ〜!!!

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やまプリ講座 〜やまなみインタープリター講座〜
日時:第一回・・・・平成29年4月29日(土・祝)9:30~17:00
第二回・・・・ 6月4日(日)9:30~17:00
第三回(一泊二日)・・・7月8日(土)9:30~ 9日(日)17:00
定員:20名
会場:愛媛県今治市玉川町鍋地集落および集会場
テーマ:第一回・・・きこり入門
第二回・・・チェンソーワーク
第三回・・・森を伝える人になる
こんな人にオススメ!:
中学生以上の
・森林や林業に興味のある人
・木を伐採して、その木で何かを作りたい人
・チェーンソーの扱い方、選び方を知りたい人
・チェーンソーの目立て(刃の研ぎ方)の仕方、目立てに超便利!な道具の選び方を知りたい人
・薪ストーブや、薪の扱い方を学びたい人
・多様なひとびととの交流を楽しみたい人 ・・・などなど
参加費:連続参加:9,800円(三回一括料金、三回目の食費別途)
単発参加:初回・二回目、3,000円/回、最終回5,000円(食費別途)
※ガク割、あります! 中高大学生の参加費は上記料金の半額!!
講師:村瀬 宏之氏、江崎 賢二氏、江崎 美沙氏
申し込み方法:
または 名前、住所、電話番号、メールアドレス、年齢、生年月日、参加にあたって一言 を書いて
info@wokasiya.jp までお申し込みください。
※@を@に変えてください。
以上、やまプリのご案内でした。
たくさんの方の申し込み、お待ちしてますー!!
佐世保での研修二日目「インタープリテーション」の巻
こんばんは。
一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。
研修の二日目のテーマは「インタープリテーション」。
体験を通じて分かりやすく「伝わる」ための技術です。
自然や歴史や文化を伝えるガイドの世界で、とても重要になってくる技術です。
一般的な言葉としては「伝える」とよく言います。
しかしこの言い方だと「伝える側」が主になります。
伝えよう、伝えよう、と思うあまりに、相手のことをあまり考えず、ひたすら喋りまくってしまう、というのはよくあることです。
しかし私たちインタープリターはそうではなく、参加者やお客さんに体験してもらうことで自ら気づいたり、発見したりしてもらうことを目指します。
「参加者ファースト」のこの姿勢を私たちは「伝わる」という言葉で表現しています。
さて、それでは一体、どんな体験をするのでしょうか?
早速レポートしていきます。
今回は佐世保にも寒波が訪れ、本来会場となる場所が使えない状態でした。
山の上にある施設のため、雪で登れない恐れがあるためです。
そのため、研修前日になって会場が変更となりました。
その会場はこんな感じ。

・・・町の中の公民館です。
自然なんてこれっぽっちもありゃしません。
なので、自然遊びをするために近くの公園に移動します。

車道の脇を歩いて。

公園に到着です。
公園といっても、ご覧の通りの児童公園。
ほとんど自然なんかありゃしません。
野良猫たちのパラダイスになっており、猫フン地雷がいたるところにありましたが、、、。
そして隣にはグランドがあります。

草すら生えてません、、、。
常識的に考えたらこんな場所で自然を感じる体験をするのは不可能でしょう。
しかし、プロのインタープリターの手にかかれば、一見すると何もない、こんな身近な場所がめくるめく自然体験や歴史体験の場に変貌します。
今日の遊び(アクティビティ)は二つ。
ひとつ目。
「そっくりさんを探せ!」

このはてなボックスに入った4種類の自然物を見て、色も形も大きさもそっくりの物を探してくる、という遊び。チーム対抗戦のため、一番そっくりな物を拾ってきたチームの勝ち!となります。
ただし!

箱をオープンする時間はたったの3秒です。
3秒間のおぼろげな記憶を頼りに、チームで相談しながらそっくりな物を探します。

自然物を拾って元の場所にもどったら、そっくりコンテストのはじまり。
黒布の上にひとつづ広げて、答え合わせをしていきます。
けっこう記憶が曖昧だったり、意外としっかり覚えていたり、チームによってさまざまです。

みんなで集まってわいわいがやがやと、賑やかに進んでいきます。
どんな年配の人も、そしてそこにカップルと幼稚園児が混ざっていようと、一緒に楽しむことができます。今までの経験上、いつ、どこで実施しても、みなさん子どもにもどってものすごく楽しんでくださいます。
そして二つ目の遊びは「春さがし」。
折からの寒波の襲来で、前日まで雪のちらつく非常に寒い陽気でした。
でもそんな中でも自然はしっかりと春の準備をしています。普通だったらみすごしてしまう、そんな「春」をさがす遊びです。

これもチームごとに分かれて、ぐるぐると歩き回って「春」を探します。
みつけたら分かりやすいように、用意しておいた輪っかでくくり、タイトルを考えて短冊に書きます。
そうして参加者のみなさんがみつけた「春」がこちら。

さわってさわって
このチームは、ふわふわの冬芽に着目していました。
触るととても気持ち良いのです。

まちはる。
このチームは桜の新芽にフォーカス!
タイトルがかわいい。

春の妖精みーつけた!
木の根元にある、ちいさな花を「春の妖精」に見立てました。
と、こんな感じの作品が完成したのでした。
作品自体も素晴らしいですが、やってるみなさんが、ものすごく楽しそうでした。
そしてなにより作品を作る過程で、普段全く見ないところに目が行き、参加者自身がいろんな自然を「発見」できるのです。
一通り遊び終わったら、部屋に戻って感想と気づきの共有です。
どんな感想を抱いたのか、そして、それを「起こす」ためにインタープリターは何をしていたのか?

感想を出し合います。

板書
みなさんが楽しむために、インタープリターは事前に下見や調査をし、会場を選び、必要な資材や道具を揃え、様々な演出をし、参加者をハッピーにする「言葉がけ」をしていたことに気づきました。
このようにまずは体験してもらい、それを振り返って参加者自身の「気づき」を共有するという手法が、私たちの研修の基本的なスタイルです。
教えるのは私たちではなく、参加者自身の「体験」であり、私たちインタープリターがすることはふさわしい「体験」をデザインすることです。
ひととおり意見が出たので、ランチタイム。
この日の昼食は「佐世保バーガー」でした。
めちゃボリュームがあり、おいしかったです。
やっぱり、その土地の美味しいものを食べることは、その土地の魅力が「伝わる」上でとても大事だとおもうのです。

「伽耶」の佐世保バーガー
遅めの昼食だったので、14時から後半開始。
16時終了までのに時間、どのようにこの研修をクロージングするかを参加者自身に考えてもらい、実践してもらいました。
この辺も私たちの実施する「超実践型研修」の特徴です。
どんなに知識を増やしても「実践」が伴わなければ身につきませんから。

参加メンバーが進行する「ふりかえり」。
このようにして、佐世保研修の二日間が無事に終了したのでした。
今回ファシリテーターとインタープリターがそれぞれの手法で進め、参加者がそれを体験し、学ぶという初めてのスタイルでした。結果として、非常に学びの多い、濃密な研修になったと思います。
最後にメンバーと写真をとりました。
彼女たちは私たちをかしやの主催事業「しまなみインタープリター講座」の修了生。
かれこれもう5年くらいの付き合いです。
講座が終わっても「ご縁」が続いていくのは、私にとってなにより嬉しいことです。

「しまプリ」の仲間とともに。
以上佐世保研修のレポートでした。
今週末も佐世保で研修です。
内容は「インタープリテーション」と「企画」。
レポートをどうぞお楽しみに!