一般社団法人をかしや

メニュー

うれしい報告。萩ジオガイド養成講座。

こんにちは。

一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。

 

さて、先日とても嬉しいことがありましたのでご報告。

今年度、私は山口県の萩市にて「萩ジオガイド養成講座」に関わっています。

 

萩は1609年に毛利輝元が築城・開府し、約260年間城下町として栄えた町で、今でも往時の雰囲気が残されています。

なまこ壁や、萩藩が奨励したという夏みかんのある屋敷など、美しい景色がたくさんあります。

 

また、明治維新の志士である高杉晋作や木戸孝允の生誕地がある観光地としても有名ですね。

 

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~

白い「なまこ壁」が特徴的な菊や横丁(写真提供:萩市)

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ4 「体験」を通じて伝える方法 「アクティビティ」を使ってみよう~

夏みかんの甘酸っぱい香りが広がる旧家の敷地(写真提供:萩市)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな、すでに観光地として有名な萩ですが、幕末・歴史の魅力だけでなく、地球の成り立ちや、魚や野菜などの味覚や、萩焼や、その他ぜーんぶを萩の魅力として捉えて、伝えていこう!というのが「萩ジオパーク構想」です。

 

そして萩市が、萩ジオパーク構想に基づき、まずは本気でガイドを養成しよう!それも知識伝達型のガイドではなく、おじいちゃんや子どもや外国人など、どんなお客さんが来ても楽しんでいただける「体験型」のガイドを養成しよう!

 

というのが「萩ジオガイド養成講座」です。私はこれの主任講師をさせてもらっています。

 

ジオパーク構想と、初回講座の様子はこちらをどうぞ。

高知の室戸ジオパーク時代から一緒に仕事させてもらっている専門員の白井さんがわかりやすく紹介してます。

 

 

で、うれしかったこととは、この講座に参加してださった方が、先日山口新聞に感想を投稿してくれたこと。

とても楽しんでくださったようです。

 

こういうのが実施した側としては一番ウレシいですね。

 

しかもブラタモリと並べて書いてくれてるし!!

 

ぜひぜひご覧くださいませー。

 

 

ジオガイド

 

2018年09月27日

ガイド連載記事「まち独自の魅力の見つけ方」

こんにちは。一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間です。

 

さて、いつの間にやらすっかり秋になりましたね。

秋といえば秋祭り!

 

私たちの集落では、10月に盛大な秋祭りが催されるので、すでに準備が始まっております。

今治独特の「継ぎ獅子」を披露するため、週に3回、練習に勤しんでおります。

 

DSCN6839

 

さて、以前からお伝えしていますが、私は観光系WEBサイトで毎月ガイド手法の連載をさせてもらっています。

 

連載タイトルは

「小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ 」

です。

 

毎月ガイドに必要な技術や心構えについてお伝えさせてもらっています。

そしてまた新しい記事が掲載されましたのでお知らせ。

 

今回の内容は

「~ステップ3 ガイドのためのフィールド調査 事前に確認しておきたい4つのポイントとは?~」

 

ガイドする際に必要なフィールド調査の視点をお伝えしています。

今回は「まち」がテーマなのですが、まちだけではなく自然でも歴史でも文化のガイドでも基本は同じ。

 

ぜひご覧くださいませ。

https://kankou-redesign.jp/pov/7537/

 

 

そして本ブログでは、連載第二回に当たる前回の記事を掲載したいと思います。

以下、よろしければどうぞご覧くださいませ。

 


連載 小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方~

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方~
じっくり歩いて、まちの魅力を探そう(愛媛県今治のまち)

 

観光まちづくりの現場の方が実践するための「ノウハウ」と「あり方、心構え」に関する連載記事です。知識ばかりでずっとしゃべっているガイドではなく、参加者がのびのびと楽しみながら、そのまちを好きになっていくためのガイド手法をお伝えしていきます。ガイドがどうやって参加者にまちを楽しんでもらうか。そのためにやるべきことはどのようなことかについて、12ステップで解説します。

 

 

みなさんこんにちは。愛媛県今治市を拠点に、ガイド活動やガイド養成研修を生業にしている菊間です。ガイド手法やガイドの心構えに関する本記事、2回目となる今回のテーマは「まち独自の魅力の見つけ方」です。どんなまちにもそのまち「ならでは」の魅力があります。その見つけ方を一緒に考えていきましょう。

十分な下見と調査

 

まちの魅力を見つけるために必要なことは、なんと言っても「下見」です。予備調査ですね。まずはまちを歩いてみましょう。そしてまちを見て、雰囲気を感じてみましょう。どのまちにもそのまち「ならでは」のことがあるはず。それを感じることが大切です。そのまちにしかないものは何か、よそと違ったところは何かを探っていきます。

 

この時一番わかりやすいのは「景観」、見た目です。まずはじっくり見て、特徴的な景観を探してみましょう。たとえば以下のような視点で見ると良いでしょう。

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方~

このような視点を持って、まちをぶらぶらと歩いて見ましょう。まずは車でざっと流しても良いかもしれません。きっといろんなことが見えてくるはずです。私も以前、こんなことがありました。

 

愛媛県の宇和島市を訪れたときのことです。まずは車で市内に入ったのですが、走っているうちに不思議なことに気づきました。なぜか道がまっすぐではなく、曲がっていたり折れ曲がっていたりして、なかなか目的地にたどり着けないのです。

 

不思議に思って、まちの歴史をひもといてみて謎がとけました。宇和島は、現存12天守の一つ「宇和島城」を中心に築かれたまちです。(現存12天守とは江戸時代以前つくられたお城(天守)のこと)。そして宇和島城とその縄張り(敷地)は、築城の名手、藤堂高虎により築かれました。

 

特徴は、通常四角形の城の縄張りが、なんと五角形に設計されていること。これにより、攻め入る敵を混乱させ、迷わせる効果があります。四角形だと思い込んで迷ってしまうのです。城の縄張りが五角形なのは珍しく、有名なのは星型要塞として知られる函館の五稜郭くらいでしょう。

 

宇和島のまちは、その五角形の縄張りを元につくられています。だからどうしても迷ってしまうのです。今から400年以上前につくられた城の設計が、今のまちなみに反映されているってすごいことだと思いませんか?

 

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方~
国内に現存している12の天守のうちの一つである「宇和島城天守」 写真提供:宇和島市

 

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方~
新鮮な太刀魚を3枚におろし、竹に巻いて秘伝のタレをつけて焼いた宇和島名物「太刀魚の巻き焼き」。甘辛い香りが食欲をそそる 写真提供:宇和島市

五感を使って感じよう

 

そのまち「ならでは」の特徴は、景観だけに限りません。音を聞いたり、においを嗅いだり、あるいは名物料理を味わってみたり。「五感」をつかってまちをまるごと感じてみましょう。せせらぎや風鈴の音を聞けば、それだけで「涼」を感じるものです。五感の中でも特に、においや味覚は記憶に鮮明に残るので、うまくガイドに生かすことができればまちの良き思い出として残すことができます。

 

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ ~ステップ2 まち独自の魅力の見つけ方~
四季折々の良さを探そう

その場所、その時「ならでは」を探そう

 

また、その場所ならではの特徴を探すのと同時に「その時」ならではを探すのも重要です。日本には美しい四季があります。その土地の自然とまちなみは、四季折々の姿で訪れる人を楽しませてくれます。

 

ガイドをする季節はいつでしょうか? 花の咲き誇る春? 日差しが眩しい夏? あるいは紅葉の美しい秋? それとも雪景色の冬でしょうか? 季節に応じて、その場所「ならでは」の良さがあるはずです。その季節を映し出す、そのまちの一番良いところを探してみましょう。他の場所とは違った良さを発見できることでしょう。

 

小さなまちのどこにでもある資源を魅力あるストーリーに変え、伝えるための12のコツ

工夫と配慮で、雨の日も楽しく

 

そして、こうした大きな季節変化とは別に、日々の小さな変化や移ろいも気にしてみましょう。たとえば、雨の日なのか晴れの日なのか、風があるのかないのかによってもそのまちの魅力やその伝え方は変わってきます。多くの場合、雨のガイドツアーはガイドもお客さんもテンションが下がりがちですが、雨にふさわしいルートを選び、雨を生かしたツアー内容にすることで、晴れの日以上に楽しいツアーにすることも可能です。

 

日差しの向きや影も重要です。これはまた改めて詳しく伝えますが、優秀なガイドは日差しや影を常に意識しています。基本的な考え方としては、夏や暖かい季節はお客さんに影に入ってもらい、冬の寒い季節はお客さんが日向にいられるような気遣いをします。そしてお客さんが眩しくないように、自分が太陽に向かって、あるいは日差しを横から受ける向きに立ち位置をとります。太陽を背にするのは厳禁です、お客さんが眩しくなってしまいますから。

 

ということは、午前のツアーと午後のツアーではガイドの立ち位置は違うことになります。

 

このように、優秀なガイドは常に「その場所」「その時」ならではの魅力が伝わる場所やルートや向きをえらび、お客さんに配慮してガイドをしているのです。

それでもそのまちの魅力が見つからない時は……

 

このように具体的なポイントをあげても、どうしてもそのまち「ならでは」の魅力が見つからない、という場合もあるかもしれません。特に生まれ育ったり、自分の住んでいるまちの魅力は見つけられないかもしれません。これは意外とよくあることです。なぜならば、自分の身近な場所の魅力には、人はなかなか気づきにくいものだから。

 

私はいろんな場所に行ってガイドや研修をしています。すると、すぐにそのまち「ならでは」の魅力に気づくことができます。それは私が「よそ者」だからです。フレッシュな気持ちと視点を持ってまちを眺めるので、すぐにそのまち「ならでは」の魅力に気づくことができます。

 

しかし、地元の人に話を聞くとそのまちの良さが全然出てこないことがあります。それどころか「こんなまちのどこが良いのか?」と聞かれることすらあります。しかしこれは、そのまちに魅力がないのではなく、全てが「当たり前」になってしまっているだけです。そうでない人に意見を聞けば、きっとそのまちの魅力が見えてきます。

 

町おこしで必要な存在として「若者、ばか者、よそ者」が大事であるとよく言われます。フレッシュな視点を持ち、既成概念にとらわれない大胆な発想ができ、客観的に物事を見ることができる存在が必要、という意味です。もし自分のまちの魅力がわからなくなったら、そんな人たちに聞いてみると良いでしょう。外から来た観光客や移住者、若者、子どもなどに意見を聞いてみるのです。きっと自分たちが「当たり前」と思っていたモノ、コトの中にこそ、その場所ならではの宝が潜んでいることに気づくはずです。

 

また、いくつかの他のまちを見て、自分のまちと比べてみるのもよいかもしれません。外国に行ったり外国人と交流することでかえって日本のことが見えてくるように、よそのまちを見ることで自分のまちの魅力が見えてくることでしょう。

2018年09月19日
1 14 15 16 17 18 43