佐世保での研修初日「ファシリテーション」の巻
こんばんは。
一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。
さて、この週末二日間は佐世保での研修。
インタープリターである私と、ファシリテーターであるマーキーこと青木 将幸氏とで講師を務めました。似て非なる職業である二人が講師となり、その違いから様々なことを学ぶ「対決企画」です。
初日である土曜日11日のテーマはファシリテーション。
「促す力」をつけることを目指し、屋内で実施します。
担当はもちろんマーキー。
まず午前中は、「場のレイアウト」を実践するところから始まりました。
机やホワイトボードの配置一つで、空間の及ぼす力は全く違ったものとなります。
参加者が机の配置を考え、実際に体験してみるということをしました。
例えば、、、。
このレイアウトだと、すべてのグループの机の向きがホワイトボードに向かうため、ホワイトボードを力を有効に引き出すことができます。
さらには、
様々な立場の参加者が、対等に意見を述べ合う時などに使います。
国際会議などでよく使われる形式です。
六角形の内側に入り、場の雰囲気がどう変わるかも体験しました。
このように、実際に参加者自身が考え、それを形にし、効果を「体験」するという実践的なスタイルで行いました。
次に、参加者のリクエストに答えて「アイスブレイク」のプログラムを体験しました。
アイスブレイクとは、初対面の緊張(アイス)を解きほぐす(ブレイク)するためのいろいろな遊びのことです。
この日実践したのは、「アタマのかたい参加者がいた場合に、やわらかアタマになってもらい意見を出しやすくするための体験」でした。
このゲームは、写真の四角いマスの中に「米、山、田」など、いくつの漢字が隠れているか探す、というもの。
皆さんはいくつ発見できますか?
この日一番のメンバーは、なんと20文字も発見しました!
そのあと、数人のグループになって一緒に探します。
その結果、一番多いグループは36文字もみつけることができました!!
さらにさらに、3グループ全員で、みつけた文字を出し合って行きます。
すると、驚くべき数の漢字が発見されたのです。
なんとなんと、51文字です。
このような体験をすることにより、
1、柔軟な発想をすると色々なことが見えてくる
2、一人より数人、数人より全員で意見を出し合ったほうが、たくさんのアイデアがでてくる
ということが体験的に理解できます。
こうした遊びをしてから本題の会議に入ることによって、メンバーがクリエイティブな発想をできるようになり、また、他者の意見を尊重できるようになります。
これが「アイスブレイク」の効果です。
このあと午前中は、参加メンバーがこの講座で学びたいことを出し合ってからお昼ご飯となりました。
さてさて、講座午後の部。
午後はファシリテーションなんでも相談。
車座になって、みんなの疑問や困りごとにファシリテーターが答えていきます。
この時間に、ファシリテーターの本質的な「あり方」についての話がありました。
それは「主従」に関する話題。
ファシリテーターが「主」ではなく、あくまで参加者が「主」。
主人公である参加者に対して、ファシリテーターはどこまでも従うべし。
そんな話が展開されました。
そしてこれ以降翌日にいたるまで、ファシリテーターやインタープリターは、「参加者ファースト」の立ち位置を貫くべし!という基本路線が明確になったのでした。
参加者が「主」ファシリテーターは「従」
そして午後の部後半戦。
「仕事でワークの進行をしなきゃならないんだけど、どうしたりいいかわからない」
「進行のスキルをアップさせたい」
という参加者からのオーダーが出ました。
ここでファシリテーターマーキーの無茶ぶりが炸裂!
なんと「あんたがやって」とばかりに席を退いてしまいました!
そしてその参加者自身がその場でファシリテーターを務めることになってしまったのです!!
緊張しながらも頑張って進行する彼女をよそに、当のファシリテーターは知らん顔。
なので緊張しながらも、一生懸命進行します。
そしてその様子を見て、他のメンバーもとても協力的になっていきます。
もちろんマーキーも、ただほったらかしているだけではありません。
板書して進行のサポートをしたり。
本当に大事な勘所だけをそれとなく教えたり。
そんなこんなで悪戦苦闘しながらも、ファシリテーターを務めた彼女は自分の力で自分のワークの進行案を見事に作成することに成功したのでした。
他のメンバーの力も借りて。
これぞファシリテーション!
このようにして、「超実践型」のマーキーのファシリテーション研修の1日が終了しました。
もちろん皆大満足でした。
その夜は佐世保の街にみんなで繰り出し、たのしい宴が繰り広げられました。
特にイカの姿作りがサイコーでした!
以上研修初日のレポートでした。
二日目からはいよいよ私の出番。
「インタープリテーション」がテーマです。
レポートはまた改めて。
三原市おもてなしガイド養成研修その2
こんばんは。
一般社団法人をかしや代表理事「マロ」こと菊間 彰です。
さて、先日のブログでもお伝えしましたが、週末の15日、広島県は三原市でガイド養成研修をしてきました。
全二回シリーズの、今回が二回目になります。
今回は雪の恐れがあったため前日入りしました。
そして朝起きてびっくり!
一面の銀世界。
今冬最強の寒波が訪れ、世界を白一色に染めていました。
しかも広島では特にその影響が強かったらしく、数十年ぶりの大雪となったのです。
こんな状況で、野外でのガイド研修できるのか?
・・・と波乱の幕開けとなりました。
さて、講座のはじめはいつもオリエンテーションから。
スケジュールや目的、目標を全員で確認。
そして前回の内容をていねいにおさらいします。
そのあとはガイド実習。
実際に、今後三原市のガイドで使われる場所を舞台に、どんなお客さんが来ても楽しく体験できて、三原の歴史や魅力が伝わる遊び=「アクティビティ」を考えます。
通常、歴史やまちなみのガイドでは、とかく「知識」や「情報」を詰め込みがちです。
そしてそして・・・。
ガイドさんはとにかく喋り倒します。
お客さんはひたすら聞くだけ・・・。
しかし、お客さんは必ずしもそんな詳しいことを求めてきているわけではありません。
むしろ、「楽しい体験」や「のんびりした時間」を求めてきている場合も多い。
特に家族連れやカップルがはじめてその町にきた場合、歴史やまちなみに興味があるわけではなく、ただ「楽しい時間」を過ごしたい場合がほとんど。
そしてたまたまガイドツアーに参加するのです。
なのにひたすらマシンガンのように歴史やまちなみの話を聞かされ続けたら、、、。
多分「おなかいっぱい」になり、その町には二度と来ないでしょう。
あ、これ当のガイドさんは決して気づきません。
なぜならば参加者は気を使って
「こういうの、好きな人は好きですよね?」
とか
「すごくお詳しいんですね。」
とか言ってくれるからです。
・・・でも、気づかなければいけません。
それらのコメントは「面白くなかった」という意思表示である場合が多いのです!
もちろん知識も必要ですし、マニアックな人にも満足していただく備えをする必要もあります。しかし、それ以上に必要なのは、奥深い歴史やまちなみや自然の魅力を誰でも楽しめる「楽しい時間」に変換し、それを通じて多くの人を魅了し、ファンになっていただく「伝える力」です。
そんなガイドを目指して、特に今回は知識ではない「伝える力」の習得を目的に研修が行われました。
さてさて、オリエンテーションの後は、グループごとに約1時間半の下見と準備時間を経ていよいよ実践です!
ひとつめの班は、屋内の「みはら歴史館」を舞台にしたガイド。
当然いろんな展示物がありますが、それをただ喋って解説するのではなく「体験」を入れて誰もが楽しめるようにするのが今回のミッション。
いやー、良かった。なかなか素晴らしい体験でした。
かつての広大な三原城を再現したジオラマで、「陣取りゲーム」をして遊ぶ、というもの。
そしてそのゲームを通じて、知らず知らずのうちに現代の三原の町と、かつての広大な城との位置関係がわかってしまうという仕掛け。
うーん、やりますなあ。
これなら大人と子供が一緒に楽しめる!
続いて次のグループ。
この頃には雪も溶けてだいぶやりやすい雰囲気に。
このグループの舞台は「石垣」。
今ではショッピングセンターの周りに、ほんとに何気なくある石垣なんですが、これが実は450年前の石垣。
三原城は日本三大水城に数えられ、広大な敷地とそれを取り巻く石垣が非常に立派な城でした。
でも今はその痕跡はほとんど残っておらず。あるのは石垣だけ。
なので、かつて櫓(やぐら=見張り台)のある石垣に登り、古の武将のように、遠くの海を見渡してみよう!という体験。
ちなみにかつてはこの先は海。まさにフロントライン。
しかし今は完全に埋め立てられ、その先にあるのは建物のみ。
でも石垣に登って遠くを見て、「敵だー!」などと叫んでみると、不思議とそこに海があるような気がするのです。
それこそが「体験」の力です。
こんな感じで全ての班がガイドの実践をし、部屋に戻ってきました。
戻ってきたら、実施後に参加したメンバーからいただいたコメントを元に内容の練り直し。
このように実践し、フィードバックをもらい、修正する。
まずはやってみて、PDCAをまわしていくという、徹底した実践方式が、私たちの研修の特徴です。
その後、車座になって二日間全体のふりかえりをし、研修は終了しました。
今回の研修は、本来三日間で行う内容を二日に圧縮したためかなりタイトでした。
しかも今冬最強の寒波が訪れて・・・。
でも、そんな中でも参加者の皆さんのやる気と、そしてスタッフの熱い思いでかなりアツい研修になったのではないかと思っています。
この研修を通じて私も三原を大好きになりました。
一見すると全く気づかないのですが、よく見ると450年の歴史がチラチラ見えてくる。
まるでブラタモリのような、、、。
もし機会があったらみなさんも三原に行ってみてくださいませ。
わかりにくいけど面白い!
だからこそ発見のヨロコビがある!!
以上三原市おもてなし研修の報告でした。